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保護めがねとは

 保護めがねとは、作業中に発生する飛来物、粉じん、熱、有害な光から眼を保護するために着用する「めがね」のことで、感染症の伝染防止用にも使われています。その特長としては、耐衝撃性(レンズ・フレームともに破損しにくい)耐摩擦性(レンズ表面にキズがつきにくい)耐熱性(熱による変形がしにくい)等があげられます。
 また、形状では、めがね形(スぺクタクル形)、ゴグル形、フロント形があります。
 めがねの使用対象としては、飛来物、浮遊粉じん、薬液飛沫が発生するおそれのあるあらゆる作業に従事する作業者、ならびにそれらの作業場に立ち入る人、溶接時の強い光やレーザ機器からのレーザ光等、眼に有害な光が発生する作業での作業者、その作業場に立ち入る人、その他感染症予防のための医療従事者も対象となります。また、顔全体を保護するものとして「防災面」「防熱面」があります。保護めがねではありませんが、顔面全体を保護する「顔面保護具」として使用されています。

一般めがねと保護めがねの違い

 一般にいう「めがね」とは、視力を矯正するための「視力矯正用めがね」のことです。
 視力矯正のため、レンズに度が入っています。それに対して「保護めがね」は基本的に視力を矯正する必要のない人が着用しますので、度は入っていません。
 また、一般めがねは視力矯正が主目的のため、レンズの耐衝撃性能が十分でなく、フレームもデザインを優先したものでは強度が不十分となります。また、「サングラス・ファッショングラス」は、太陽光の眩しさを抑えるための「めがね」であり、有害な光を十分にカットすることはできません。
 従って「視力矯正用めがね」「サングラス・ファッショングラス」は、「保護めがね」として使用できません。

遮光めがねとサングラス・ファッショングラスの違い

 遮光めがねは有害光線を防ぐだけでなく、飛来物があっても容易に破損しないレンズ強度を持っています。
 また、フレームもレンズが簡単に脱落しないように設計されています。そして、作業に合わせて選択できる様々な形式が用意されています。一方、サングラスは、紫外線を吸収する能力のあるものもありますが、赤外線を吸収する能力はありません。また、レンズの強度やフレームの設計にも保護具としては問題があります。遮光保護具を使うような作業場では、遮光保護具の代わりにサングラス・ファッショングラスを使用することは絶対に禁止してください。

保護めがねを使用する環境

 保護めがねを使用する場所として、まず思い浮かべられるのは工場です。工場には機械や設備から発生する粉じんや煙、熱、薬品、また、飛来物が飛んでくる可能性もあります。また、溶接等から出る眼に有害な光(紫外線、赤外線、強烈な可視光線等の有害光線)も発生します。もっとも多く保護めがねを使用するのはこのような工場ですが、その他の場所でも、学校や研究所の実験現場、病院等の医療現場、建設作業場、消防や警察、農業、漁業の各現場でも使用されます。そして、これらの現場に行くことがない一般の方でも身近な家庭において、一部の家庭用洗剤や漂白剤を使用する際には、保護めがねを使用する必要があることが注意書に記載されています。
 このように保護めがねは、眼に何かの異物が混入する可能性のある場所すべてが使用する環境であるといえます。